メンタルの話

自己肯定感は無理に上げなくてもいいと思う

2021年7月9日

「自己肯定感」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?

自己肯定感の意味を調べてみると、実用日本語表現辞典では以下のように示されています。

自己肯定感とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉。

(出典:実用日本語表現辞典)


自己肯定感という言葉自体は新しい言葉で、現在も多くの研究者の間で定義の検討がされていますが、個人的には『自分の考えや存在・外見などを認めて、自分自身を好きと思えるか』ということだと解釈しています。

この解釈でいえば、私自身は自己肯定感低め人間です。

今回の記事は自分の考えをまとめるのが主な目的ですが、私と同じく自己肯定感が低い方に自己肯定感が低いことはダメなことではないと伝えられたらいいなと思っています。

自己肯定感を低くする原因を考えてみた

「自分のことをダメ人間だとか、認められなくなったきっかけはなんだろう」とこれまでの人生を振り返ってみると、原因として考えられることが2つありました。

原因1 両親の夫婦ゲンカ

両親には何不自由ない生活をさせてもらい、十分すぎる愛情ももらっており、家庭環境は悪くはないのですが…。

母と父方家族の嫁姑問題などがあり、我が家の両親はよくケンカしていました。私と兄弟の目の前で。

すると聞こえてくるのが


「あんたとなんか結婚するんじゃなかった!!」

こんな言葉が聞こえてくると、

「失敗した結婚で生まれた私も失敗?」
「私は望まれて生まれてきたの?私がいなかったら簡単に離婚できたよね…」
「そうか、私いらない子なんだ」

という気持ちになりました。

すずき

後に調べて分かったことですが、子どもの前で夫婦喧嘩をするのは「面前DV」という心理的虐待にあたる可能性があるんだそうです・・・

他にもストレスが限界に達したのであろう母からきつく当たられることもありました。その弾みで「生まなきゃよかった」と言われたことも。

こんな出来事から常に「自分はいらない人間」と考えてしまうようになりました。

原因2 学校での陰口・悪口

私の通う中学校は田舎の学校で生徒数もそれほど多くはなく、クラス内のいじめはありませんでした。しかし、部活動単位になると部員同士で陰口を言ったり言われたりということがありました。


陰口の内容も本当くだらない幼稚なことでしたが、言われた時は自分が否定されたようでショックでしたし、人が小声で喋っていると「また何か言われているんじゃないか」とすごく気にするようになりました。

すずき

相手にも同じようなショックを与えていたのだと思います。中学生の頃は相手を思いやれるだけの寛大さがなく、幼稚でした…。
この時は部活動内で陰口の応酬が広まったので顧問の先生が仲介に入り、全員が謝り合いました。傷付けてしまった相手に謝るきっかけをくれた先生には感謝しています。けど、自分がやった・されたことは消えることなく心に残っています。

高校に進学してからは見えるところで陰口をたたかれることはありませんでしたが、ある日、先輩とすれ違ったのに気付かず挨拶をしないまま素通りしてしまったことがありました。その後、SNSに明らかに私だと分かる内容で先輩が

「あいつ無視した!生意気だ!人間としてありえない!」と投稿してました。

今は「しょうもないことで怒ってんなあ」と思いますが、高校生の頃は家庭や中学校での出来事で自己肯定感がとても低くなり、嫌われることに極度に怯えていた時期だったので

すずき

先輩に嫌な思いをさせてしまった、最低だ私。本当ダメな人間だ…人間の屑だ…

としばらく引きずるくらい落ち込み、自分自身をダメな人間だと責め続けてました。

家族以外の人から否定されたり責められたりすると「これが世間からの私の評価なんだ」と思い込んでしまって、さらに自分のことが認められなくなっていました。

実際、自己肯定感には人との関わりが大きく影響している

実際に子どもの自己肯定感には家庭・学校での人との関わりが影響しているとの研究結果が出ていました。
(参考:敦 芳他「子どもの自己肯定感に及ぼす影響要因に関する実証研究-京都子ども調査をもとに-」,同志社大学社会学会,2018年9月30日,15-32ページ)

私が家庭や学校で経験してきた人との関わりがまさに自身の自己肯定感に影響していたので、この研究結果には納得です。

しかし、自己肯定感って高い方がいいのかもしれないですけど無理に上げる必要あるんでしょうか?

自己肯定感が低くてよかったなと思うこと

「自己肯定感」で検索してみると、「自己肯定感 高める」「自己肯定感 高め方」といった検索候補が出てきます。


自己肯定感は低いと依存しやすくなるとか自分はダメだと決めつけて物事が続かないとか、デメリットの情報はたくさんあります。

しかし人間の性格が簡単に変わらないように、いきなり自己肯定感を上げるなんて出来ませんよね。

けど、自己肯定感って無理して上げる必要ないと思うんです。

自己肯定感=自分の考えや存在・外見などを認めて、自分自身を好きと思えるか

であるならば、自己肯定感が低い自分を認めてしまえばいいじゃないか!

ということで、私が自己肯定感が低くてよかったと思うこと2つを紹介します。

自分が一番ダメだから成長しようと思える

私は中学の頃は運動部、高校の頃は演劇部に所属していましたが、運動部ではレギュラーになれず、演劇部では役に選ばれないこともありました。

当然「自分がダメだから選ばれないんだ」と落ち込みましたが、それをバネに一層練習に打ち込むようになりました。

家で自主練してみたり、専門書を買って読んでみたり。やってることは大したことないかもしれませんが、「成長しよう」と何かしらの行動を起こしていました。

現在の仕事でもこの考えは活きていて、「自分が一番仕事が出来ない」と思っているので効率よく仕事をするにはどうしたらいいか、お客さんに満足してもらうには何をしたらいいかなど、常に考え続けて生きられてます。

すずき

もし自己肯定感が高かかったらある程度のところで満足して終わっていたかもしれません。

一番ダメなので出来ないのは当たり前と気が楽になる

誰でも失敗するのは怖いですよね。私も怖いです。何かを始めるのはかなり勇気が必要です。

けど、失敗して当たり前なんです。

だって、自分が一番下だから。

開き直りかもしれませんが、何かに挑戦してもし失敗しても「ま、一番下だしな」と思うようになったら気分が沈むことが少なくなりました!

それでもやっぱり自分が嫌い、ダメな奴だと思ったら

あなたに魔法の言葉を授けます。

「すごくない?」です。

語尾にこの言葉を付けてみてください。例えば、

「テストの点数悪かった…ダメだ…でもすごくない?〇点は取れたんだよ?」
「仕事の電話で上手く話せなかった…でもすごくない?電話嫌いなのにちゃんと話せたんだよ?」
「もう全部つらい…私ってダメな人間だ…でも毎日頑張って生きててすごくない?偉い私」

ふざけているように見えてしまったらごめんなさい。でも、ネガティブなことに「すごくない?」を付けるとポジティブに変わりませんか?

私を含めて自己肯定感の低い人は、人から褒められても

悩む人

自分なんかをどうして褒めるの?皮肉ってるの?嫌味なの?

と自分は褒められるような人間ではないと思っているので素直に受け取れません。この思考のクセを取るのは簡単じゃありません。

そこでまず「すごくない?」と自分を自分で褒めることから始めてみませんか、ということで提案してみました。

また、心のプロに相談するのも一つの手です。

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【まとめ】自分を受け入れられれば自己肯定感は無理して上げなくていい

私の経験上「自己肯定感が低くてもいい」と捉え方を変えてみることで、少しずつ自分を受け入れられるようになった2つの考えをご紹介しました。

自己肯定感について一番しっくり来たこちらの記事にもありますが、自己肯定感を上げることより「自分はこれでいい」と自分を受け入れることがやはり重要ではないかなと思います。

思考のクセを直したり、自分を受け入れることはすぐには難しいですが、こんな考え方もあると参考になりましたら嬉しいです!

それではまた!

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